LO/ST CO/LO/RSの創作S/S+ラクガキブログ。
白騎士コンビを贔屓ぎみですが主人公最愛・オールキャラと言い切ります!
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<ブリタニア軍人編>特派ルートスザクED設定です。
主人公+スザク。
EDから少し経って、ようやく戻ってきた日常のお話です。
スザクのことを大切におもう主人公と、無自覚に主人公に気を許しているスザク?
ちょっと区切りが悪いです…(涙)。
よろしかったら「続きを読む」からお入り下さい。
主人公+スザク。
EDから少し経って、ようやく戻ってきた日常のお話です。
スザクのことを大切におもう主人公と、無自覚に主人公に気を許しているスザク?
ちょっと区切りが悪いです…(涙)。
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覚悟を決めてコックをひねると、冷水が勢いよく僕の頭を濡らしていく。身震いする間にそれは快適な温度に変わり、僕は演習ですっかり汗だくになった身体の汚れを洗い流す。
華美な装飾はないけれど、特派のトレーラーには上等なキャンピングカー以上の設備が付いている。だから食料と水さえ積み込めば、駐屯地でさえ快適に過ごすことができた。
ロイドさんは伯爵だけどナイトメア以外の一切のことに無頓着な人なので、この生活水準を維持そして管理しているのは実質セシルさんだ。
その…「食」はともかく、衣と住に関しては僕にとって申し分ない。アッシュフォード学園のクラブハウスも大好きだけど、ここは僕が安心して帰れるもう一つの「場所」だから。
それを作ってくれたスザクには本当に感謝している。もちろん、ロイドさんやセシルさん、ノネットさんやシュナイゼル殿下…名前を挙げたらきりがない。
それに、物理的な場所だけじゃない。彼は…スザクは、この時代、この世界に本来存在してはいけない僕という人間を必要としてくれた。側にいてほしいと言ってくれた。
呪われた王の力ギアスを手にした僕は、父を兄を殺し国王の座を手に入れた。すべては母を、妹を守るため、そして他国から領民を守るためだった。
だがその守りたかったものすべてを、強大過ぎたギアスの暴走によって僕は殺めてしまったのだ。
母を妹を、多くの領民を失ってもなお戦場に立ち続けなくてはならず、蛮族がこの胸を貫き心すら散り散りになってもまだ僕の血塗られた人生の幕は下りなかった。
ギアスの契約は、その力同様に絶対遵守。
契約者の命を受け、僕はズタズタになった身体と魂を抱いたまま胎児の如く丸まり悠久の眠りについた。
すべての記憶と共に。
それが、僕に唯一与えられた贖いの機会だったから。
だがバトレーの手によって僕は漆黒の闇から引きずり出された。
僕が視力を取り戻して初めて目にしたものは、培養液で満たされたガラスケース越しに見える歪んだ研究者たちの顔だった。それは遠い昔に見たきりの、自分自身の顔に見えなくもなかった。
そして身体を改造され、記憶すら書き換えられてこの世界に再び生まれ落ちた。ギアスという呪いを身に宿したままで。
脳に直接流し込まれた知識。すべて修復され人工的に強化された肉体。
それでも僕は逃げ出した。身体の細胞すべてが彼らを拒絶していた。
そう知識が本能に教えてくれた。ここにいれば、僕は魂を持たない只の殺戮マシーンのパーツにされるのだと。
己の犯した罪すらおもい出せず、心すら無くしていたというのに。
こうしてサーサーという水音に包まれていると、忌まわしい記憶が甦ってくる。
すべての記憶を取り戻してからは、過去と現在のそれが切れ切れに脳内で再生されるようになった。
滝のように降り注ぐ雷雨の中で、閃光と僅かな炬灯りの中で斬り結んだ、かの国境沿いでの戦を。
ガラスケースを循環する培養液、そして自らの身体に直接繋がれた管から排出されていく体液と記憶が立てる流水音。
だが囚われてはならない。
もう僕は−−−
不意にシャワールームの左壁がノックされ、我に返った。
「ごめん、シャンプーが切れているんだ。使い終わってたらそっちのやつを貸してくれないかな」
スザクの声が降ってくる。僕がボトルを手にすると、既に彼は壁上部の30センチほどの隙間から上半身を乗り出していた。
(続く) →2
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