LO/ST CO/LO/RSの創作S/S+ラクガキブログ。
白騎士コンビを贔屓ぎみですが主人公最愛・オールキャラと言い切ります!
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<ブリタニア軍人編>特派ルートスザクED設定です。
スザク+主人公。
紙ベースは完結しました…やっぱり×ではないような…。
そしてどうやら
スザク→→→←主人公のようです。
スザク+主人公。
紙ベースは完結しました…やっぱり×ではないような…。
そしてどうやら
スザク→→→←主人公のようです。
どのくらいそうやっていたのだろう。足下にはすっかりこぼれてしまったコーヒーが水溜まりを作り、わずかに香りを漂わせていた。
「ごめん、カッコ悪い所見せちゃったね」
「いや……」
そんなことないよという言葉さえかけてやれない。赤く腫れた目をグローブをしたままの手の甲でゴシゴシと擦ると、そこにはいつものスザクの笑顔があった。
「…君に話したら何だか落ち着いた。ユフィにはちゃんと説明するよ。僕はこの手で、ランスロットでユフィを守りたい、そして日本を守りたいんだって」
だから、君も笑ってよ。
そう言われて初めて自分から表情が抜け落ちていたことに気付いた。今度こそ微笑んでやりたいのに上手くいかない。まるで目覚めたばかりの頃のように。でも頭だけは冴えざえとしていた。
スザクの言葉に彼女はおそらくこんな風に答えるだろう。
「スザク、あなたの気持ちはよくわかりました。では日取りを早く決めてしまいましょう!」
と。
皇族の子孫繁栄など、何の問題もないのだ。
ユフィが欲しいのはスザクの心と、彼と共にある未来なのだから。
どんなに周りが咎めたとしても、スザクが望むなら彼女は赤ん坊よりスザクの意思を選ぶ。自分と特区日本を守る為にランスロットを駆るというのなら、愛する者の志を守る為に、統べる者として最大限の役割を果たす以外は他のすべてを棄てる覚悟と強さを彼女は持ち合わせている。
遠く血の繋がった、天真爛漫な姫君−−−可憐な容姿の内には、野に咲く花の根のような力強い確かなおもいを秘めている。
僕はそんな彼女を心からから愛しいと思う。
人を容易く信じ受け入れ、そして愛することのできるユーフェミアはふとした瞬間に妹を思い起こさせる。彼女の花のような微笑みが脳裏を掠めた。
「スザク」
何故か掠れてしまった声で彼の名を呼んだ。
不思議そうに見返してきた彼の瞳の色が、僕から言葉の続きを奪う。
だがようやく絞り出した声で僕は結論だけを伝えた。
「彼女を愛しているなら−−−何も言わずにプロポーズを受けるべきだ」
「な……!何を言ってるんだよ?!」
頬を赤く染めたスザクが僕の肩を強く掴んだ。
「僕たちは日本を守る『白の騎士』だ!君はその双壁が崩れてもいいのかい?君にとって……僕たちの絆は、そんな簡単に無くしてしまえるものなのかい?」
スザクの声に反比例して僕の声色はどんどんと冷静なものになっていった。
「そんなことは言ってない」
「じゃあどうして……」
肩に置かれたスザクの手にますます力がこもり、親指が銃創痕を掠めた。思わず漏れた呻き声にすら、余裕のない彼は気付かない。
あんなに他人のことばかり気にかけているスザクが−−−僕は無自覚に口端に笑みを浮かべていたようで、どうしてそんな顔して笑うんだと言うと、スザクの顔はますます歪んだ。
「彼女が君のすべてを愛しているから。スザクが考えているよりずっと、女性というのは強くたくましいものだ」
その台詞が癇に障ったらしい。スザクの表情がガラリと変わった。
「……まるで何もかもわかったような言い方をするんだね。王様には何でもお見通しってところかな」
肩に置かれていた手が離れた。そして今僕に向けられている視線は、彼が標的に対して見せるひどく攻撃的なものだ。
「今は、もう王ではない。私は、特区日本と殿下の為に命をかける白の騎士だ」
「『私』なんて普段は言わないくせに」
「つっかからないでくれスザク。話が出来なくなる」
「君がそうしたんだろう?」
ダメだ。今のスザクには僕の言葉は届かない。しかしこのまま物別れしてしまうつもりはなかった。
(続く) →5
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