LO/ST CO/LO/RSの創作S/S+ラクガキブログ。
白騎士コンビを贔屓ぎみですが主人公最愛・オールキャラと言い切ります!
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<ブリタニア軍人編>特派ルートスザクED設定です。
スザク+主人公。
行政特区「日本」成立後3年後の設定。
普通にゲームをプレイしていて、この2人の台詞に何度も1人赤面していました。
大切な人。傍に居てほしいおもい。
それは性別とかあんまり関係ないのかなと改めて感じます。
よろしかったら「続きを読む」からお入り下さい。
スザク+主人公。
行政特区「日本」成立後3年後の設定。
普通にゲームをプレイしていて、この2人の台詞に何度も1人赤面していました。
大切な人。傍に居てほしいおもい。
それは性別とかあんまり関係ないのかなと改めて感じます。
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日本には四季がある。
頭に行政特区という言葉が付いていたとしても、目や耳そして五感すべてを楽しませてくれる美しい風景は遥か昔から変わらずこの国にあったものだ。
僕はここで、目覚めてから三度目の梅雨を迎えていた。
今は春でもなければ夏でもない。ほぼ毎日降りぼそる少し生暖かい雨は、傘を差していても肌や服を濡らす。
だがその感触を僕は嫌いではない。
雨に打たれて煙るランスロットとクラブを見あげると、その向こうに富士山がぼんやりとした輪郭で在るここからの風景は僕の心を穏やかなもので満たしてくれる。
それが人の手によって作られた兵器と、元の景観を損なった人造物なのにも関わらずだ。
僕自身が、そうだからなのかもしれない。
身体も記憶も人為的に作り替えられ、世紀を超えてこの時代に再び目覚めさせられた。本能であの忌まわしい研究所を脱出し、呪われた力と記憶を身に秘めたまま−−−だが僕は失われた記憶を探す中で、大切な人たちと守りたい明日を手に入れた。
僕の過去も血に染まった手も、決してなかったことにはできないけれど。
僕はこの時代に、王としてではなく一人の人間として、志を同じくする人々を守る騎士として生きることを決めたのだ。
ふとした物思いから僕の意識を現実に戻したのは、右肩に走った鋭い痛み。いつものことだ。
季節の移り変わりにはこうして撃たれた痕が射込むように痛む。我慢できないほどではないけれど、突然走るこの痛覚にはいまだ慣れることができずにいた。
僕はこの世界では軍人なのだから、この類の傷痕は今後も増えていくだろう。だがそれは痛みと同時に僕へ贖罪を与えてくれているような気がして、そんな歪んだ己の感情に思わず1人苦笑いをした。
「やっぱり−−−あの時の傷が痛むんだね」
温かくいたわるように背後からかけられたその声に、僕は振り向かずに応えた。
「少しだけね。この湿った空気のせいだ」
右肩にそっと手が置かれる。ようやくそちらに顔を向ければ、大きな翠色の瞳が僕を捉えた。
「ありがとう。あの時君が身体を張ってユフィを守ってくれたから…ここに日本という国を取り戻せた。まだ一部かもしれないけれど、きっといつかすべてを取り戻してみせる」
もう何度言われたのかもわからないスザクからの感謝の言葉に頷きながら、その日が一日でも早く迎えられますようにと、今日も僕は心の中で祈った。
「ところで所用は急務なのか?」
スザクはユーフェミア様の騎士だ。
僕たち2人は「白い騎士」と総称されている。だがスザクと僕では立場が違う。
出撃時は行動を共にするが、一旦ナイトメアを下りれば別行動になることが殆どだった。特区が成立して暫くの間は反乱分子によるゲリラ活動も多く、鎮圧のためにスザクとランスロットで出動することも多かった。
しかし治安が回復するにつれて、直接顔を合わせて言葉を交わす機会はどんどん減っていった。
ユーフェミア様のお傍を専属騎士であるスザクが離れることはほとんどないし、また許されることではない。
だから彼がわざわざ屋外の整備場まで僕を訪ねて足を運ぶというのは、殿下の勅命あるいは極秘伝達事項であることを意味する。
「急務ではない。でも君と二人だけで話しておきたいことがある」
その目に宿る、思いつめたような眼差しに、僕はただ頷くことしかできなかった。
(続く) →2
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