LO/ST CO/LO/RSの創作S/S+ラクガキブログ。
白騎士コンビを贔屓ぎみですが主人公最愛・オールキャラと言い切ります!
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<ブリタニア軍人編>特派ルートスザクED設定です。
主人公+スザク。
EDから少し経って、ようやく戻ってきた日常のお話です。
スザクのことを大切におもう主人公と、無自覚に主人公に気を許しているスザク?
結局打ち直しながらかなり書き直してしまいました。こんなはずじゃなかったな着地点…orz
蛇足ですが、UP済みのSSは結構打ち漏れとか日本語変な所を後から追加したり直したりしています。特に漏れがひどくて、2〜3行抜けたりしていて自分に絶望する回数が多すぎます。←林檎のせいでは済まされないレベル
主人公+スザク。
EDから少し経って、ようやく戻ってきた日常のお話です。
スザクのことを大切におもう主人公と、無自覚に主人公に気を許しているスザク?
結局打ち直しながらかなり書き直してしまいました。こんなはずじゃなかったな着地点…orz
蛇足ですが、UP済みのSSは結構打ち漏れとか日本語変な所を後から追加したり直したりしています。特に漏れがひどくて、2〜3行抜けたりしていて自分に絶望する回数が多すぎます。←林檎のせいでは済まされないレベル
「まだ使っていないけど、先に使っていいよ」
そう言って手渡すと、彼は器用にその場でボトルから中身を出して自分の髪の毛にごしごしと擦り付けた。足だって床に付いていないはずなのに、両手を離してよくこんなことができるなと、いつもながらにスザクの身体能力に感心する。
見上げていた僕と目が合うと、無言で僕の頭にまでシャンプー液を擦り込んできた。
僕は黙って彼の好きにさせておいた。なんだか、こんな子どもじみたことも今は嬉しい。僕にもきょうだいはいたけれど、こんな風にふざけあったことは妹とさえ一度もなかったから。
「ねえ…その傷は本当にもう痛まないのかい?」
少しトーンの落ちたスザクの声。
僕は濡れた前髪で奪われていた視界を手でかき上げて取り戻すと、スザクの顔を見返した。
彼の視線は僕の右肩に向いている。
あの日−−−特区日本の式典の日。
ゼロのギアスによって操られていたユーフェミア皇女殿下に撃たれた痕だ。
撃たれたのは一箇所ではない。肩に脚、そして胸。自分でもよく助かったとおもう。その点だけは、僕の身体を常人離れしたものに作り変えたバトレーに感謝しなくてはなるまい。
「ああ、大丈夫だ。もう何ともない」
僕はスザクに嘘をついた。
本当は、まだ疼くような痛みが続いている。傷口はとりあえずふさがってはいるが、身体の中には今も一般の外科手術では取り除くことのできなかった弾が一発残っている。
ギアス研究所チームの医療技術ならば、こんな弾も傷もすべて何もなかったように跡形なく消し去ってくれるのだろう。
だが僕はそれを望まなかった。ロイドさんが、手術は自分立ち会いの下にメディカルセンターで行い、僕の身の安全を確実に保証するからとまで言ってくれたがそれでも断った。
「君のデヴァイザーとしての能力に影響が出るようだったら、上官命令で何としても手術を受けてもらうからね〜!」
そんな条件付きながら、僕はこうして特派での日常を取り戻した。幸いシミュレータでも模擬訓練でも、僕のはじき出す数値は相変わらず平均値を大きく上回っている。
「この体勢って結構ツライね……」
真顔で僕に言いながら、スザクはそのままのポーズでわしわしと髪の毛を洗っていた。
「スザク…そうおもうなら自分のシャワーブースに戻って洗えよ。あとさ、もしこの後まだ時間があるならショッピングモールに買い出しに行かないか?シャンプー以外の備品の在庫もセシルさんに確認して…」
わかった!という声と同時、あっという間に姿が消える。
泡で滑ったのか、壁の向こうからスザクの短い叫び声が聞こえた。だが僕はそのまま髪を洗い続けると、湿度が上がって痛み始めた傷痕にそっと指先を這わせた。
ねえ、スザク。
僕にはこの痛みさえ大切なものなんだ。だから心配しないでほしい。これはもう一度生きようと決めた僕に必要な、血の通う人間としての証だから。
この手からこぼれ落ちていった決して取り戻すことのできない命。
本当は、僕はここに存在してはいけないこともわかっているけれど−−−こんな僕でも、必要だと言ってくれた君を二度と悲しませたくないから。
だからスザクが目を離したって、どこにも行ったりしないよ。
君と、君の守りたい世界と正義を守るためにこれから僕は生きていく。
それが僕の新しい贖罪。この世界で僕が生きる意味のすべてなのだから。
スザクは、僕の心が還る「場所」なんだから−−−
強めのシャワーですべての泡を一気に洗い流しブースを出ると、タイミングよく隣から出てきたスザクと再会した。
僕たちは他愛のない話で笑いながらロッカールームへと向かう。
この穏やかな日常を、今度こそ僕は守り抜いてみせる。
そしてぴりっと走った痛覚に、傷痕はギアスの代わりに与えられた刻印なのかもしれないと、僕はスザクに気付かれぬようにそっと口端を歪めたのだった。
(終)
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